今年も蚕を育てました。子どもたちの生活の中に生き物がいるって幸せです。

冷蔵庫の野菜室で冬を越させた蚕のたまご、今年も桑の葉が芽吹いたのを確認してから冷蔵庫から出しました。毎年孵化するか心配なのですが、今年も10日程で小さな黒い姿で産まれてくれました。感動です。蚕は3回くらい脱皮をすると、かなり大きくなり、餌もよく食べ、子どもたちにも安心してお世話をお願いできます。これからますますITの時代になり、子どもたちは実際の体験をしないで、映像で見るだけの知識が増えていくと思います。せめて保育園で、生き物や植物を触ったり、匂いを嗅いだり、五感で感じる体験を増やしていこうと思っています。園長

2回目の脱皮が終わり蚕らしい姿です。
3回目の脱皮が終わり、扱いやすくなりました。子どもたちにそろそろ見るだけでなく、触らせてあげられます。下の写真は脱皮の瞬間です。脱皮のスピードには個体差があり、なかなかうまく脱皮できずに苦しそうな個体もあります。脱皮中に触ると脱皮できず死んでしまうことがあるので、脱皮前の眠に入り動かない蚕には、【触らない】ことも子どもたちに教えました。脱皮を応援する子もいて、脱皮がうまくいって元気に動き出す蚕に拍手を送ってくれました。
上の写真は、朝の掃除です。蚕と糞と桑の葉の食べ残しを分けてくれます。糞は、園庭の果樹の根元にまいて肥料にします。
上の写真は4歳児さんです。3歳、2歳のお部屋にも蚕が出張しました。
いよいよ蚕が繭になりはじめました。蚕の一生について話をしてもなかなか伝わらないことが、本物を見ることで伝わります。子どもたちは繭になって蚕が見えなくなるのが寂しいそうです。子どもたちの科学的な質問①蚕は1日どのくらいの桑の葉を食べるの?②蚕の足はどれかな?手はどれかな?③繭の糸はどのくらい長いのかな?などなどいろいろな興味を持ってみているようです。
最後のお手伝いは、まぶしと呼ばれる繭のマンションから、繭をはがすことです。子どもたちの指先に絹糸のしっかり張った感触が伝わったと思います。これからしっかりしたいい繭を複数選別して、カイコガを誕生させ、交尾、産卵と命をつなげていきます。残りの繭はいったん冷凍し、絹糸をとったり、繭に切り口を入れ蛹を取り出し飾りに使ったりします。蛹は解凍して少しづつ烏骨鶏にあげています。蚕は食べられる虫の中で大人気ですので、カメも大好物です。すり潰して釣り餌に混ぜたりしてもいいそうです。