SDGSを意識した蚕の飼育

今年も蚕が繭になりました。カイコガが秋に産んだ卵を、昨年の12月から4月の間、冷蔵庫の野菜室で過ごさせ、桑の葉が出そろったところで、冷蔵庫から出しました。ほとんどの卵から蚕が生まれ、桑の葉をたくさん食べて、病気にもかからず、たくさん糸を吐いて大きくてかたい繭を作りました。子どもたちも葉をモリモリ食べる様子に見入ったり、蚕を触って、柔らかくてすべすべなことを感じたり、桑の葉と蚕と糞の匂いを覚えたり、五感が刺激されたと思います。蚕を飼い始めた頃、5歳児さんが事務所に来た時、「蚕の匂いがする❕」と言いました。昨年の匂いの記憶で分かったそうです。匂いの記憶は忘れません。蚕の匂いが分かるなんて素敵です。ちなみに4歳児の孫は車に乗っていても、道端の桑の葉に気付きます。園長

4月12日に冷蔵庫から出した卵から、4月26日に黒い目が見え始め、28日に最初の蚕が生れました。黒くて毛が生えていて毛子(けご)と呼ばれています。こんなに小さくても生命力にあふれ、桑の葉をしっかり食べます。1回目の脱皮をして蚕の姿になります。

5歳児の担任が書いてくれました。子どもたちはこの表を見ながら、何回目の脱皮かな?と成長を楽しんでいました。

 

 

よく見ると顔がみんな違います。顔や体に模様があるのとないのがいます。模様が目のように見えますが、目は口の横の小さな点です。蚕は家畜で自然界では生きられないので、目のような模様を付けて天敵である鳥から身を守る擬態は必要ないのですが・・・家畜化される前の野生をとどめているのでしょうか?真っ白ちゃんは野生をすっかり忘れた形態なのでしょうか?子どもたちにどっちが好きか聞くと、それぞれ好みが違います。毎年女の子は体の小さな蚕を可愛がっています。

全部繭になってから1週間後、まぶしから繭を取り出す作業(宮内庁でも行われた「初繭掻き」)をきりん組さんにお願いしました。繭をべりべり離す感触が味わえたと思います。蚕は繭を作るとき、まずしっかり周りに糸をはります。そして安定した場所を確保してから自分の周りに糸をはき繭を作っていきます。繭の周りのふわふわの糸を、真綿(真綿)と呼び、たくさん集めて使うことができます。私はどんぐり広場にある、編みぐるみの猫の体に入れました。

私が趣味で飼っている蚕ですが、子どもたちの体験の1つにはなると思います。

6月18日に最初のカイコガが生れました。15個の繭をとってあるので、雄と雌が生れたら交尾して卵を産んでくれます。残りの繭は冷凍庫に保管してあります。去年の繭から出した蛹も冷凍庫にあり、少しづつ解凍して烏骨鶏にあげています。烏骨鶏は大喜びです。蚕のフンは肥料です。無駄になるものはなく、ゴミも出ません。SDGSかな?園長